★作品解説★
【背景】
2020年、未知のウイルスに世界中が襲われるという、パンデミックが発生。(2021年現在も継続中)
そのウイルスの正式名称は、COVID-19。(新型コロナウイルス)
世の中が暗く落ち込んでいく中で、レラは正反対ともいえる、『目が覚めるような絵』を描いた。
【動機】
2011年03月11日、東日本大震災と原発事故が発生。
福島県で被災したレラは、2009年~2011年04月まで働いていた所を辞め、埼玉県へ移住をした。
その当時、勤務先でお世話になった先輩、姉的存在でもある友達は、移住後に起業し商人兼芸術家となったレラの、凄まじい変化を目の当たりにしたといっても過言ではない。
要するにレラが多くの人達に知られる前から、応援して頂いていた支援者・読者・クライアントでもある。
後に、その友達も福島県から他県へ移住。新たな地で、新しい家を購入した。
そのため「玄関に飾る絵を描いて欲しい」「気持ちが明るくなる感じの絵がいい」との依頼を受け、この作品を制作する事となった。
【内容】
風水を取り入れ『玄関の方位に合う絵と色』を決め、次に心理的効果を取り入れ『更に色』を考慮。
しかし、ただの風景画ではつまらない。何か物足りない。とにかく『唯一無二の作品』にしたい。
そこで依頼人の家系について、つまり『依頼人のルーツに関する内容』を、表現する事にしたのだ。
一見すると、ただの風景画なのだが...よく見ると、とても深いルーツの内容が見えてくるのである。
- 藤の花=依頼人が嫁入りした家は、先祖が『藤原氏』の家系。藤原氏の家紋は、藤の花で知られている。そのため『藤の花の家紋』を表現した。
- 蝶=人間の脳には蝶に見える部分がある。胎児の成長過程で、まず最初に作られるのが脳と心臓。そのため蝶で『家系そして人間』を表現した。
- 太陽=アマテラスが岩戸に隠れた時、祝詞を唱え鏡を差し出したのが藤原氏の始祖『天児屋命』。藤原氏の家系は天皇家とも繋がっている。大きく、白く輝く太陽で、その『偉大』さを表現した。
- 舟と小人が住んでいそうな家=藤原氏は『海人族』。その家系は、コロボックル説がある原住民もしくは原住民の血が濃い、エミシとも繋がっている。そのため『海人族とエミシ』を表現した。
- 雌阿寒岳と阿寒富士そして阿寒湖とラベンダー=依頼人は北海道出身。
レラと同様、遺伝子的にアイヌと繋がっている可能性がある。そのためアイヌの伝説がある『夫婦の山』を描き、『依頼人夫婦』を表現した。
山の色を、幻想的で透き通るような虹色にした理由は、「お互いの心を見通せるくらい仲が良く、いつまでも幸せな夫婦でありますように」との願いを込めたからである。 - 風車=大自然の中にある人工的な建物。依頼人も東日本大震災と原発事故により被災し移住した。
原発事故後に、何故か福島県で活発化した『風力発電』を思い出させ、そして『エネルギー問題』も感じさせる。
青春時代~移住するまで、長く暮らしてきた福島県を忘れないようにと、中心部に風車を置き、『福島県』を表現した。
それから宗教的な意味合いは全く無いのだが、『十字架』にも見えるので、『家や家系を守護』する物にもした。 - サーカスとチューリップ=サーカスの雰囲気は、ワクワク、楽しい気持ちにさせてくれる。沢山のピンクのチューリップは、見ただけで気分が明るくなれる。
これらの部分で、依頼人が求めていた、『気持ちが明るくなる感じの絵』を表現した。
★基本情報★
- 作者名:Lera Castle(レラ・キャッスル)
- 作品名:偉大なる家系
- 英語名:The Great Family Tree
- 素材等:油絵具、キャンバス
- サイズ:F3号(273×220mm)
- 制作年:2020年~2021年
- 完成日:2021年05月07日
- 納品日:2021年06月25日
- 制作国:日本
- 依頼人:I.T.様
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